当院における腹腔鏡補助下胃切除術導入初期の成績―胃癌症例の少ない地域において
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概要
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沖縄県は胃癌症例が少なく,胃癌手術の修練や新しい手術手技の導入は困難であるが,当院では腹腔鏡補助下胃切除(LAG)を導入することができた.今回,導入にいたる経緯と導入初期の成績を検討した.筆者はhigh volume centerでLAGの手術手技を研修し,2008年4月からLAGを当院に導入した.それ以降,2010年3月までに施行した腹腔鏡補助下の幽門側胃切除(LADG)11例,胃全摘(LATG)7例について導入直前5年間の開腹胃切除例(幽門側胃切除(ODG)20例,胃全摘(OTG)9例)と比較した.検討項目は患者背景,手術時間,出血量,術後在院日数,術後合併症,郭清リンパ節個数とした.LADGはODGと比較して有意に出血量が少量で術後在院日数が短く,合併症も少なかった.またLATGはOTGと比較して有意に手術時間が長かったが,術後在院日数は少なかった.胃癌症例の少ない沖縄県でも,大きな問題なくLAGの導入が可能であった.
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