Core needle biopsyで正確に術前診断しえた乳腺原発腺様嚢胞癌の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
稀な乳腺原発腺様嚢胞癌(以下,ACC)の1例を経験したので報告する.症例は43歳の女性で,右乳房腫瘤を主訴として当科を受診した.右D領域に圧痛を伴う1cm大の腫瘤を触知した.マンモグラフィでは局所的非対称性陰影カテゴリー3の所見で,乳腺超音波検査では境界が比較的明瞭な低エコーの腫瘤を認め,内部エコーは不均一であった(カテゴリー3).穿刺吸引細胞診ではclass IIIで,針生検でACCと術前診断した.そこで,腋窩リンパ節郭清を省略した乳房温存手術と術後放射線療法を施行した.病理組織所見では,腺上皮細胞と筋上皮細胞からなるACCに特異的な篩状構造を認めた.ACCは全乳癌の0.1%未満と稀な腫瘍で,特異的な病理所見を呈する疾患である.また,ACCは低悪性腫瘍でリンパ節転移は稀とされ,術前診断は術式の決定に有用であった.
- 日本外科系連合学会の論文
日本外科系連合学会 | 論文
- 大腸内視鏡検査後に横行結腸の大網穿通により皮下気腫・後腹膜気腫を発症した1例
- 食道神経鞘腫の1例
- 切除不能・再発大腸癌に対し,2次治療以降に行ったmFOLFOX6療法の治療成績
- Composix Mesh®を用いて腹腔鏡下に修復したMorgagni孔ヘルニアの1例
- 膀胱癌術前検査のMRI拡散強調画像で発見された直腸S状部癌の1例