Tamoxifenとtegafur‐uracil 1日600mgの併用療法が奏効した乳癌の癌性胸膜炎の1例
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概要
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症例は62歳,女性で,右乳房C領域に腫瘤を認めたため針生検を施行し,右乳癌と診断した.2002年9月右乳癌(T1,N0,M0)で非定形的乳房切除術(Bt+Ax)を施行した.病理結果はinvasive ductal carcinoma,ER陽性,t1n1M0病期IIaであった.術後CEF(CPA 100mg/EPI 40mg/5-Fu 500mg)を7コース施行したが,その後,通院加療を怠り2008年1月に右側胸部痛で再来院した.来院時の胸部X-Pおよび胸部造影CTで中等量の右胸水を認め,エコー下で胸水穿刺を施行した.吸引胸水量は約370ml漿液性,細胞診はclass Vの癌性胸膜炎と診断された.Tamoxifen 20mgとtegafur-uracil(UFT)300mgの内服を開始したが,症状の改善がなくUFTを600mgに増量した.その後,胸痛が軽減し胸部CT所見で右胸水が消失した.腫瘍マーカーのCA15-3は最高値の104U/mlが約1年後の2009年8月には19.7U/mlに減少した.薬物有害事象は白血球数減少,食欲不振および色素沈着で,いずれもgrade 1であった.
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日本外科系連合学会 | 論文
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