クローン病大腸全摘術後で人工肛門移動後に肝切除した高齢者肝細胞癌の1例
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概要
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クローン病に対する大腸全摘後,回腸人工肛門を有するC型肝炎・肝細胞癌症例に対し,人工肛門移動後に肝切除を施行した症例を経験したので報告する.症例は71歳,男性.45歳時に治療抵抗性大腸型クローン病に対して大腸全摘,回腸人工肛門造設術を施行,その際輸血を受けた.64歳よりC型肝炎による肝機能障害で近医通院していた.平成19年,腹部超音波検査で肝右葉に径2cmの腫瘍を発見され,当科に紹介された.単発の肝細胞癌で肝機能良好であったが,陥没した人工肛門が右肋弓下の皮膚切開予定線上にあった.肝動脈塞栓術によって腫瘍抑制した後,人工肛門を右下腹部へ移動し,旧人工肛門部の治癒・瘢痕化を待って肝切除を施行した.人工肛門を有する症例では開腹操作に支障を来すことがあり,綿密な計画をもって治療にあたる必要がある.
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