化学療法が奏効した多発転移を有する2型S状結腸癌を合併した4型上行結腸癌の1例
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概要
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大腸は他臓器に比べ多発癌を合併する頻度が高く,また診断治療技術の向上に伴いその頻度は増加している.一方,4型大腸癌はその頻度は低くその悪性度は高いとされている.<BR> 今回,われわれは4型上行結腸癌と2型S状結腸癌の同時性多発癌症例を経験したので報告する.症例は69歳の男性.心筋梗塞の既往のためサイファーステントが冠動脈に留置されており抗凝固剤が中止出来なかった.2007年9月腹部膨満感,腹痛が出現し近医を受診した.下部消化管内視鏡(CF)を施行したところS状結腸に2型腫瘍,上行結腸に4型腫瘍を認めた.2007年11月当院初診.CTにて肝左葉の大部分を占める肝転移の他,肝右葉前区域に小転移巣,多発肺転移を認めた.上行結腸の狭窄が強くまた進行性の貧血を認めたため,原発巣切除の方針となった.11月右結腸切除+前方切除を施行した.開腹時,腹膜播種(P3)も認めた.術後FOLFIRI療法,mFOLFOX6療法を施行し20カ月を経過し治療継続中である.
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日本外科系連合学会 | 論文
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