診断に苦慮した乳管腺腫の1例
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概要
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症例は41歳,女性.検診mammography(MMG)にて要精査となり,当院受診となった.左乳房内上部に直径1.5×1.0cm大の腫瘤を認め,腋窩リンパ節は触知しなかった.MMGでは,長径1.5cm大で楕円形の高濃度腫瘤を認め,辺縁は一部境界明瞭であるが,微細鋸歯状の部分も伴っていた.USにて直径9×8mm大,縦横比の高い低エコーの腫瘤形成性病変を認めた.穿刺吸引細胞診にて,乳頭状に増生した大型の細胞集塊が認められ,良悪性の断定困難との診断であった.針生検では旺盛に増生する乳管上皮を認めるも,免染にて筋上皮の二相性は保持されており,悪性の他,良性の乳頭状増殖を伴う病変が鑑別にあがったため,切除生検を行い,病理検査にて乳管腺腫と診断された.乳管腺腫は,悪性との鑑別を要する場合があり,鑑別疾患として念頭においておく必要があると考えられた.
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日本外科系連合学会 | 論文
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