結腸ヒモが途絶した右側結腸軸捻転症による盲腸穿孔性腹膜炎の1例
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概要
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症例は95歳,女性で,主訴は右下腹部痛.右下腹部中心に圧痛,反跳痛,筋性防御を認め,胸腹部X線検査にて大量のfree airと著明に拡張した盲腸と思われる腸管係蹄を認めた.右側結腸軸捻転症とそれによる穿孔性腹膜炎の疑いと診断し,緊急手術を施行した.上行結腸は腹膜固定部にて時計回りに約150度回転し,その支点より正中背側に屈曲していた.盲腸では著明な壁の菲薄化と3mm大の穿孔部を認め,結腸ヒモがいずれも部分的に途絶していた.固定不全による盲腸の捻転や屈曲によって腸管虚血のエピソードが繰り返されたことにより筋層の萎縮を来し,結腸ヒモの構造が失われたものと推察された.また,それにより盲腸の伸展性が増し,大量の便汁が溜め込まれることによって上行結腸のより強い捻転屈曲が惹起され,盲腸内圧が高まり,穿孔を来したものと推察された.
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日本外科系連合学会 | 論文
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