硬化型と通常型が併存した肝細胞癌の1例
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概要
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症例は66歳,男性.他院に脳梗塞で入院中に腹部CTで肝腫瘍を指摘され当院入院.CTでS6に9×6cmの低吸収域を認め,動脈相で不均一に造影され門脈相で低吸収域となった.S2に5×3cmの低吸収域を認め,造影効果は乏しく門脈相で等吸収域となった.また,S5,S8に1cmの造影効果の乏しい結節を多数認めた.AFP,PIVKA-IIは高値でHCV抗体陽性.肝細胞癌,多発性肝内転移と診断.2006年8月,肝内転移(S5,S8)に対して術前肝動脈化学塞栓術を施行.同年9月,後区域切除+S8部分切除,S2切除術を施行.肉眼所見はS6の腫瘍は単純結節周囲増殖型肝細胞癌でS2,S8の腫瘍は白色調で硬く被膜のない腫瘍であった.病理組織所見はS6の腫瘍は索状型,中分化型肝細胞癌でS2,S8の腫瘍は硬化型,中分化型肝細胞癌と診断.硬化型肝癌には不明な点が多く,通常型肝細胞癌が併存した1例を経験したので報告する.
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日本外科系連合学会 | 論文
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