下血と穿孔性腹膜炎にて発症した小腸GISTの1例
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概要
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症例は73歳の男性で,下血,発熱,下腹部痛を主訴に前医を受診し,精査目的で当院を紹介された.下腹部に圧痛を伴う巨大腫瘤を触知した.CTで腹腔内に14cm大の,内部に出血や壊死を疑う充実性腫瘍を認めた.また,腫瘍の周囲には腸管内腔とは異なる小さな気泡を認め,腫瘍破裂を疑った.病変は空腸動脈から栄養されていた.小腸腫瘍の破裂と診断しGISTが最も疑われた.開腹所見では骨盤内に巨大な小腸腫瘍を認めた.腫瘍は膀胱後壁,右下腹部の後腹膜と癒着があり,虫垂にも炎症性変化を認めた.膀胱壁の一部と,腫瘍を含めた小腸部分切除術,虫垂切除術,大量洗浄ドレナージを施行した.病理にて腫瘍はc-kit陽性を示しGISTと診断された.術後8カ月目よりメシル酸イマチニブを内服開始し,術後21カ月現在,無再発生存中である.
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日本外科系連合学会 | 論文
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