嚢胞内乳癌の形態をとった乳腺髄様癌の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
嚢胞内乳癌の形態をとった乳腺髄様癌の1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する.症例は40歳,女性.左乳房の痛みと腫脹を主訴に近医を受診し,当科に紹介された.左乳房AC領域に径6cmの表面平滑な腫瘤を触知し,マンモグラフィでは境界明瞭やや高濃度な円形腫瘤を認めた.乳腺超音波検査では最大径4cmの嚢胞性病変として描出された.胸部CTおよびMRIでは,径4cmの境界明瞭な嚢胞性腫瘤と内部に突出する壁在結節を認めた.穿刺吸引細胞診で腺癌細胞を検出した.嚢胞内乳癌と診断し乳腺部分切除術を施行した.摘出標本の肉眼所見では,嚢胞壁から結節状および乳頭状に発育する腫瘍を認め,病理組織診断では,嚢胞壁内にわずかに浸潤する髄様癌と診断した.核Grade 3,ER(-),PgR(-),HER2(-)であった.残存乳腺に対する放射線治療とFEC100を4サイクル行った.術後13カ月経過し,無再発生存中である.
- 日本外科系連合学会の論文
日本外科系連合学会 | 論文
- 大腸内視鏡検査後に横行結腸の大網穿通により皮下気腫・後腹膜気腫を発症した1例
- 食道神経鞘腫の1例
- 切除不能・再発大腸癌に対し,2次治療以降に行ったmFOLFOX6療法の治療成績
- Composix Mesh®を用いて腹腔鏡下に修復したMorgagni孔ヘルニアの1例
- 膀胱癌術前検査のMRI拡散強調画像で発見された直腸S状部癌の1例