CTC(circulating tumor cells)testが乳癌化学療法の効果判定方法として有効と考えられた1例
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概要
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症例は34歳の女性.乳癌術後の通院中(2006年9月)に右季肋下の圧迫感を自覚し来院した.<BR> 2000年7月にT1左乳癌の診断のもと乳房温存手術を受けた既往がある.<BR> 来院時の腹部CT所見で,肝臓両葉にmultipleな転移巣と両葉の腫大を確認した.同時期の血液中腫瘍マーカー値は正常を示したが,CTC testでは10個/7.5mlと異常高値であった.そこで,治療薬としてゼローダ+ゾラデックス+フェアストンを選択し併用投与した.すると腹部症状は軽快し,3カ月後のCT所見で転移巣が完全に消失した.その時点のCTC testは0個/7.5mlと血液中の腫瘍細胞も完全に消失していた.<BR> 特記すべき点は,この3カ月間のCTC test値の変化である.肝転移巣の消失に連動し,CTC数が10個から0個/7.5mlへと完全消失に至ったことである.CTC test値は予後との関連が海外で報告されてはいるが,real timeで病態の変化を表す指標として用いることは研究段階である.今回,血中のCTC値と画像所見が連動し,効果判定の指標として有効な症例を経験した.
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日本外科系連合学会 | 論文
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