閉塞性左半結腸・直腸進行癌における経肛門的イレウスチューブの有効性
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概要
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消化管通過障害を伴う左半結腸,直腸進行癌の外科的治療戦略は切除時期,再建方法に関し,今なお議論の分かれるところである。従来は結腸人工肛門を造設し,二期的分割手術を行うことが多かったが,近年,経肛門的イレウスチューブを用いて減圧および腸管前処置を行い,一期的根治術を行うことが可能となった。今回,われわれの施設で行った経肛門的イレウスチューブ挿入28症例の術後在院期間(32.3±3.5)は,二期的手術6症例,非閉塞性病変222症例との比較において二期的手術群(47.7±7.0)より有意に短く(p=0.02),非閉塞病変群とは同様の期間(33.9±1.5)であった(p=0.68)。術後縫合不全を1例に認めたが,遠隔転移例,重度合併症例,高齢者を除く全例にD2以上の根治性の高い手術を行うことができた。チューブ挿入に伴う合併症も少なく,一期的切除を行うにあたり有用な術前処置であると考えられた。
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