膵管内乳頭粘液性腺癌術後の残膵癌に残膵全摘術を施行し得た1例
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概要
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73歳,男性。4年前に主膵管型IPMC(intraductal papillary-mucinous carcinoma)にて膵体尾部切除術施行。病理結果は断端陰性で,リンパ節転移はなかった。腹部造影CT検査では残膵頭部主膵管の狭窄像と末梢主膵管の拡張と壁不整像を認めた。腹部MRI検査では膵体部の主膵管拡張像と蛇行を認めた。超音波内視鏡検査では末梢主膵管の拡張と膵頭体部移行部に境界不明瞭な腫瘤を認めた。内視鏡的逆行性膵管造影検査では乳頭の腫大や開大はなく,膵頭体移行部の主膵管の狭窄像と末梢膵管の拡張像を認め,狭窄部位の生検結果はpapillary adenocarcinomaであった。以上より残膵癌と診断し,残膵全摘術施行した。病理結果はinvasive ductal carcinomaで根治術を施行し得た。IPMN(intraductal papillary-mucinous neoplasm)には他臓器癌,膵内多発や通常膵癌の合併が多いと言われている。IPMNの再発や膵癌や他臓器癌を含め切除可能な段階での早期発見のためにも術後厳重な経過観察が必要であると思われた。
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