保存的に経過観察した腹壁子宮内膜症の1例
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概要
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症例は48歳, 女性。平成14年, 当院産婦人科にて子宮筋腫のため子宮全摘 (下腹部正中切開) を施行し, 術後6カ月目の検診時に恥骨と上部右側の手術瘢痕部皮下に有痛性腫瘤を認め当科紹介となった。この腫瘤は1カ月に1回程度の周期で増大・縮小を繰り返していた。臨床症状および画像所見より腹壁子宮内膜症の可能性が高いと判断した。自験例は48歳であり閉経が近いため, 保存的に経過観察した。発症後4年が経過した時点で腫瘤は縮小し, 症状は消失したため腹壁子宮内膜症と診断した。本邦での腹壁子宮内膜症の報告例はいずれも摘出標本の病理組織診断後に報告されたものであり, 保存的治療後の長期経過をみた報告は見当たらない。本症は良性疾患で, かつreproductive ageに限局した疾患である可能性が高いと考えられ, 本症の取り扱いに関して若干の文献的考察を行ったので報告する。
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