Pagetoid spreadを呈した肛門管癌の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は88歳, 男性。5年前から肛門周囲の皮疹を自覚していたが放置していた。右下肢浮腫を認めたため皮膚科受診。肛門周囲Paget病と診断されたが, 病変が肛門内へ連続していると考えられたため当科紹介。肛門管内に顆粒~結節状の扁平隆起を認め, 生検で肛門周囲と肛門管内に腺癌が認められた。両側鼠径部と傍大動脈リンパ節転移を認めたため, 両側鼠径リンパ節と大動脈周囲リンパ節郭清を伴う腹会陰式直腸切断術および筋皮弁形成術を施行。肛門管内の扁平病変は中分化腺癌であり, 皮膚側にPaget細胞を含む腺癌の進展を認めた。免疫組織化学染色ではGCDFP15陰性, CK20陽性であり, 4型肛門管癌によるPagetoid spreadと診断した。高齢のため化学療法は施行しなかった。Pagetoid spreadを伴った肛門管癌は, 臨床症状が酷似している皮膚付属腺原発Paget病とは治療方針が異なるため, GCDFP15とCK20を免疫染色することで鑑別診断することが重要である。
- 日本外科系連合学会の論文
日本外科系連合学会 | 論文
- 大腸内視鏡検査後に横行結腸の大網穿通により皮下気腫・後腹膜気腫を発症した1例
- 食道神経鞘腫の1例
- 切除不能・再発大腸癌に対し,2次治療以降に行ったmFOLFOX6療法の治療成績
- Composix Mesh®を用いて腹腔鏡下に修復したMorgagni孔ヘルニアの1例
- 膀胱癌術前検査のMRI拡散強調画像で発見された直腸S状部癌の1例