開腹による直腸癌術後の早期経口摂取の有効性と安全性に関する検討
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概要
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目的 : 直腸癌術後の早期経口摂取の有効性と安全性について検討した。方法 : 対象は当施設で直腸癌と診断され, 人工肛門造設を伴わずに直腸切除術を施行した88例とした。術後3日間以上の絶食の後, 経口摂取を開始した2001~2002年のA群 (n=42) と, 術翌日から経口摂取を開始した2005~2006年のB群 (n=46) の2群に分け, 術後経口摂取カロリー, 初回排便, 術後入院期間, 合併症の発生率について比較検討した。結果 : 患者の背景因子や術後合併症の頻度に, 両群間で優位差はなかった。術後排便が認められるまでの期間の平均値はA群4.7±3.0日, B群3.2±1.9日とB群で優位に短時間であった。体重減少率はA群 (-5.3±4.0%) と比較してB群 (-3.7±5.0%) と有意に少なかった (p=0.0099)。平均術後入院期間はA群19.5±24.8日, B群14.7±14.0日とB群で有意に短時間であった (p=0.261)。結語 : 開腹による直腸癌の術後早期経口摂取の有効性と安全性が確認された。
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