胸腔鏡補助下に摘出した気管分岐部Castleman病の1例
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概要
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症例は42歳, 女性。気管支喘息のため近医に通院中, 胸部CT検査で, 胸部中部食道前方の気管分岐部直下に75×55×44mm大の腫瘤が認められ, 内部に石灰化を伴っていた。術前, 間葉系腫瘍・奇形腫等が疑われたが, 確定診断には至らず, 悪性腫瘍も否定できないなどの理由から, 診断的な意味も含めて, 胸腔鏡補助下縦隔腫瘍摘出術を施行した。組織学的所見では, リンパ節に発生した非腫瘍性結節性病変でCastleman病と診断された。術後はとくに合併症なく経過し, 退院した。Castleman病の多くは単発性のリンパ節腫脹をきたし, 縦隔とくに前縦隔に多いといわれる。しかし, 本症例のように中~後縦隔に発生し, 食道浸潤が疑われるように進展することは稀であり, 診断と治療を兼ねた胸腔鏡補助下の摘出術が有用であった。
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