メッシュ摘出を要した鼠径ヘルニア術後遅発性感染の2例
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概要
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鼠径ヘルニア術後の遅発性感染にて, メッシュ摘出を要した2例を経験したので報告する。症例1は52歳の女性で, 右鼠径ヘルニアにて他施設でメッシュを用いた修復術を施行された。6年4カ月後に右鼠径部に膿瘍が生じたため, 5カ月間にわたり切開ドレナージ, 生理食塩水による洗浄, 抗生剤投与などの保存的治療を行った。感染が治癒しないため, メッシュを摘出した。再手術後1年3カ月が経過したが, 感染やヘルニア再発は認めていない。症例2は70歳の男性で, 左鼠径ヘルニアにて当院で修復術を施行された。7年10カ月後に左鼠径部に膿瘍が生じたため, 2カ月間にわたり保存的治療を行った。感染が治癒しないため, メッシュを摘出した。再手術後1カ月が経過したが, 感染やヘルニア再発は認めていない。鼠径ヘルニア修復後の遅発性感染例では保存的療法に固執することなく, 患者の同意の下に感染源であるメッシュの摘出を考慮すべきである。
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日本外科系連合学会 | 論文
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