乳房超音波(US)検診で指摘しえなかった進行癌に関する検討
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概要
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超音波検査はマンモグラフィにおいて高濃度を示す乳房にも有効であると考えられている。しかし,今回われわれは乳癌検診として繰り返し(2回以上)超音波検査を行っていたにもかかわらず,T2以上の進行癌で発見された2例を経験した。この症例から超音波検診を行う上で注意すべき点について検討したので報告する。症例1;45歳,女性。当施設3回目の乳房超音波検診で右乳房AからC領域の乳腺実質を占拠するように境界不明瞭な低エコー域が認められ,広範囲な浸潤癌が疑われた。この1年前,2年前の検診では両側乳房は豹紋状から境界不明瞭な低エコー域を呈し,乳腺症と判定されていた。精検の結果,乳頭腺管癌であった。症例2;44歳,女性。しこりを自覚し当院乳腺外来を受診,浸潤性乳管癌と診断された。外来を受診する約1年前と2年前にも超音波検診を受けていたが,症例1と同様に両側乳房に豹紋状パターンが見られ,乳腺症,境界明瞭な低エコー腫瘤は線維腺腫と考えられていた。2例とも以前の検診時にも病変が存在していたものと考えられる。いずれも背景に豹紋状パターンの強い乳腺が見られ,乳腺症と判断されていた。超音波検査はベースの豹紋状パターンが強い場合は非腫瘤性病変を検出することが難しい場合もあることを認識し,ベースとなる乳腺を含めて左右の比較を正確に記録することにより経時的変化に慎重に対応するべきと考えられた。
- 日本乳癌検診学会の論文
日本乳癌検診学会 | 論文
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