超音波検診における技師‐医師間のカテゴリー判定の相違について
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概要
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現在,乳癌検診ではマンモグラフィとともに超音波検査の有用性が注目されている。現在の超音波検診では,検査技師が検査を行い,撮影された画像を画像診断医が判定するのが一般的である。今回われわれは,技師も日本乳腺甲状腺超音波診断会議(JABTS)のカテゴリー分類に基づき判定を行い,両者の所見に対する解釈の差異について検討した。超音波検診を行った3,514名(平均年齢44.0歳),7,018乳房中,何らかの所見の認められた3,235乳房について判定一致率を算定した。両者の判定は3,083乳房(95.3%)で一致した。要精査とするか否かにおける不一致例(142例)に乳癌は認められなかった。乳癌であった11例中3例で,両者ともに要精査としていたが,判定に不一致がみられた。画像とレポートのみより判定を行う一次読影での要精査率は4.67%であったが,技師と討論を行うことで精査率は4.30%に低下した。討論では腫瘤像形成性病変症例のカテゴリーを下げやすい一方で,腫瘤像非形成性病変に対しては技師判定を尊重する傾向が認められた。また,低エコー域のみのDCISと腫瘍径8 mm以下の辺縁不明瞭な浸潤癌で技師がカテゴリー4以上と判定できない症例が認められた。超音波検診において,技師もカテゴリー判定を行うことは,画像診断医に検査時の判断を伝える手段として有用であり,判定差異を議論することで超音波検診の精度向上に繋がると考えられた。
- 日本乳癌検診学会の論文
日本乳癌検診学会 | 論文
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