アンケート調査によるマンモグラフィ読影講習会の精度管理[8]
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概要
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マンモグラフィ (MMG) 検診における読影医の充足を目的に精中委教育・研修委員会ではMMG講習会 (以下, 講習会) を全国で開催してきた。講習会での読影試験にて評価AまたはBを取得できなかった医師を対象にランクアップ試験 (以下, 試験) を開催し, 講習会同様, アンケート調査にてその精度管理を行ってきた (「報告1~7」)。今回, 第1回試験 (平成12年11月) から第19回 (平成19年3月) までに実施した全試験での回答を集計したので報告する。延べ総受験者数は3,380人で, 評価A取得は402人 (11.9%), B取得は2,008人 (59.4%) で, A+B取得 (認定取得) は2,410人 (71.3%) であった。複数回受験者も含むなど条件は異なるが, 第1回~第3回試験での認定取得率56%に比して遙かに高くなった (「報告4」)。これは, アンケート調査結果が, 講習会自体の質向上とともに, 試験においても会場を名古屋に加え東京や大阪で開催するなど, 試験環境などの改善に寄与したためと思われる。平成16年4月から約10ヶ月間認定基準の引き上げと5年更新制のもとで実施した試験があり, 特に第9~10回試験ではA+B取得率が75%を超え, 読影力の維持向上に多くの受験者が真剣に取り組んだ結果と思われた。精中委では, 平成17年2月から諸事情により認定基準などを元の基準に戻すことになった。この影響もあり, 第11回以後はA+B取得率は低下した。40歳代MMG検診に二方向撮影が導入されたのを機に, 試験を一方向のみ (100問) から, 一方向50問+二方向50問に改定した (平成18年10月)。さらに検診読影での第2読影はA評価者が行うとの認識も広まり, 第15回試験からはA評価を目指す受験者が増え, A+B取得率も向上した。認定資格5年更新制が平成19年度から再スターを切ることなどを踏まえ, MMG検診の目的は救命する癌を発見できることの原点に戻り, 試験の質のさらなる向上が望まれる。
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日本乳癌検診学会 | 論文
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