100 MHz帯超音波の石英ファイバへの伝搬
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概要
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<B>目的</B>:本論文では,細径音響導波路を用いて組織の高精細な超音波画像を直接観察可能とする研究について述べる.<B>方法</B>:まず,反射法を用いて石英ファイバ中を伝搬する超音波の挿入損失と周波数特性を測定する.次に,透過法を用いて石英ファイバ中を伝搬する超音波の挿入損失および周波数依存性減衰を調べるために,受信トランスデューサをファイバ端面の近くに設置し,音響カップリング材を媒体として伝搬した超音波の特性を測定する.最後に,上記の測定結果を用いて測定条件を最適化し,水中に置かれた反射体(硬貨)を超音波ビームで走査することによってCモード像を得る.<B>結果</B>:ファイバ端面から反射波が得られ,その周波数特性において最大値を示す周波数は約220 MHzであった.音響カップリング媒体を伝搬した超音波の周波数は約125-170 MHzの帯域で検出され,超音波の最大検出距離は100 MHz周波数帯で約1.2 mmであった.最終的には,テーパー状石英ファイバを用いて,水中の硬貨の高周波Cモード像を得ることができた.<B>結論</B>:実験結果から,微細組織像を得るためには,信号対ノイズ比(S/N)を改善し,挿入損失を減少させる必要があることが示唆された.
- 一般社団法人 日本超音波医学会の論文
一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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