硬変肝表面結節像の超音波検査による分類―腹腔鏡検査による肝表面像との比較検討―:-腹腔鏡検査による肝表面像との比較検討-
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概要
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目的 : 肝硬変患者の肝表面の凹凸不整像を高性能・高周波プローブを用いて超音波検査で観察し, 肝表面の凹凸の深さ (以下, 肝表面凹凸深度) を計測し, 腹腔鏡での観察による肝表面結節像分類と比較することにより, 客観的な肝表面不整度評価および硬変肝表面結節像の分類が超音波検査で可能か否かを検討した. 対象 : 2003年10月-2004年10月の1年間に腹腔鏡検査と腹部超音波検査をともに行った慢性肝疾患患者56名 (男性25名, 女性31名, 平均年齢55歳) を対象とした. 方法 : 使用した診断装置はATL社製HDI-5000-sonoCTで, プローブは高周波リニアプローブL12-5 (5-12 MHz) を用いた. 超音波検査による肝表面像の分類は, 肝表面凹凸深度 (0.1 mm単位) を計測しその値を用いた. 腹腔鏡下肝表面像は0 : 平滑, 1 : 軽度不整, 2 : 中等度不整, 3 : 高度不整, 4 : 平坦結節, 5 : 丘状結節, 6 : 半球状 (葡萄の房状) 結節の7段階分類を用いた. 結果 : 腹腔鏡下肝表面像分類と超音波検査で求めた肝表面凹凸深度の相関係数は右葉でρ=0.943 (P<0001), 左葉でρ=0.941 (P<0001) と良好であった (スペアマン順位相関). 結論 : 高性能超音波装置で高周波プローブを使用し, 硬変肝表面結節部の凹凸深度を計測することは, 客観的な肝表面不整度評価および硬変肝表面結節像の簡便な分類に有用である.
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