手の超音波診断
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概要
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手の画像診断には,従来単純レントゲン,CT,MRIが多く用いられているが,これらの検査には「全て静止画である」という弱点がある.そもそも整形外科は運動器を扱う科であり,動きに伴う病態を知ることは非常に大切と考える.近年の超音波診断装置や画像構築技術の進歩には目覚ましいものがあり,高周波プローブの出現とともに高分解能画像が得られるようになった.リアルタイムに得られる鮮明な運動器の超音波画像は,整形外科診療を変えるといっても過言ではなく,現在,整形外科領域でも急速に超音波診療が広まりつつある.整形外科における手領域疾患は,その関心領域のほとんどが皮下3 cm以内にあり,高周波プローブが1本あれば観察できる.本稿では,外来で比較的よく遭遇する整形外科の手・肘領域疾患について,その超音波画像所見を紹介し,解説する.具体的には,腱鞘炎,腱損傷,靭帯損傷,ガングリオン,腫瘍,骨折,関節リウマチ,肘部管症候群,手根管症候群を紹介する.超音波検査は診断のみならず,術前術後の評価などの経過観察,麻酔や注射,穿刺といった治療にも有用であり,また患者とのコミュニケーションツールとしても役立ち,今後ますます発展していくものと考える.
- 一般社団法人 日本超音波医学会の論文
一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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