男性における腎細胞癌乳腺転移の1例
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概要
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症例は75歳,男性で,2008年に左腎細胞癌(T1bN0M0)で左腎摘除術を受けている.病理診断はrenal cell carcinoma(clear cell carcinoma)であった.術後3年目のfollow up CTで,左乳房内に径7mmの高濃度結節を認めた.さらに,半年後のCTでは径13mmと増大傾向を認めた.USは左乳房CD領域に境界明瞭で,内部血流の豊富な低エコー腫瘤を認め,針生検で腎癌と類似した組織像を認め,renal cell carcinomaの乳腺転移と診断した.男性の原発性乳癌は全乳癌の1%程度であるが,転移性乳癌はさらに稀少である.また,転移性乳癌の原発巣は本邦では対側乳癌,胃癌,白血病,悪性リンパ腫の順に多いが,腎癌からの乳腺転移はほとんど報告例をみない.今回我々は,男性で腎癌の乳腺転移と診断した非常にまれな症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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