重複僧帽弁口を合併した心室中隔欠損の臨床経過
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今回,心室中隔欠損と僧帽弁狭窄を合併し高度の肺高血圧を来たした11ヵ月の男児を経験した.心臓超音波検査で,大きな膜様部心室中隔欠損とcomplete bridge typeの重複僧帽弁口がみられ,左室流入血流圧較差は増大し,顕性化した僧帽弁狭窄の所見を認めた.心臓カテーテル検査でも高度の肺高血圧を呈し,NO負荷試験で肺血管閉塞性病変は否定した.相対的僧帽弁狭窄の程度が不明のため外科的治療として心室中隔欠損閉鎖術を行った.術後に肺高血圧が軽減し,僧帽弁狭窄の程度は軽度のため経過観察とした.心室内左右短絡を伴った重複僧帽弁口の評価において,術前に様々な方法で有効僧帽弁口面積を推測することが,治療方針決定に重要であり,その方法として心臓超音波検査は有用であった.
- 一般社団法人 日本超音波医学会の論文
一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
- 腎泌尿器疾患の超音波診断‐腎細胞癌の超音波像‐
- 左室内腔形態と左室内非同期(dyssynchrony)との関連についての検討
- 硬変肝表面結節像の超音波検査による分類―腹腔鏡検査による肝表面像との比較検討―:-腹腔鏡検査による肝表面像との比較検討-
- 腹腔鏡下手術に腹腔鏡用超音波が有用であった再発粘膜下腫瘍の1例
- 消化管超音波検査が術前診断に有用であった小腸憩室炎の1例