5年間で腫瘍の増大が確認出来た僧帽弁乳頭状線維弾性腫の1例
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概要
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症例は50歳,男性.高血圧症にて近医通院中であったが,2004年12月に心機能評価目的で施行された経胸壁心エコー検査にて,径4 mmの僧帽弁腫瘍を指摘された.精査加療を勧められたが,本人が希望せず経過観察となっていた.その後,腫瘍サイズの増大が見られ,本人が手術を希望したため2009年8月に当院入院となった.経胸壁心エコー検査では,僧帽弁後尖(P2)左房側弁腹に10×13 mmの可動性に富む球状腫瘍を認めた.辺縁は比較的整であったが,拡大像では毛羽立ち様であった.茎ははっきりしなかった.また,腫瘍による弁狭窄や閉鎖不全は認めなかった.経食道心エコー検査では腫瘍表面は凸凹し,内部には無エコー部分を認めた.また,3次元(3D)経食道心エコー検査で腫瘍が僧帽弁弁腹に存在し弁閉鎖を阻害していないことを確認した.塞栓症の危険性を考え,腫瘍切除術を施行した.病理組織診断は乳頭状線維弾性腫であった.5年間で腫瘍の増大が確認でき,3D経食道心エコー検査が腫瘍の評価に有用であった僧帽弁乳頭状線維弾性腫の1例について報告する.
- 一般社団法人 日本超音波医学会の論文
一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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