限局性低脂肪化域との鑑別にSonazoidによる造影超音波検査が有用であった転移性肝腫瘍の1例
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概要
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超音波診断用造影剤であるSonazoid<SUP>®</SUP>は,肝腫瘍性病変の造影剤として2007年以来広く使用されている.超音波の最大の長所であるリアルタイム画像を取得でき,今までにない詳細な血管イメージ及び灌流イメージと後血管イメージを得ることにより各種肝腫瘍性病変の質的診断と存在診断が可能となった.症例は50歳代,男性.腹部膨満感,腹痛を主訴に来院.腹部造影CTで膵尾部に5 cm大の低濃度腫瘍を認め,間接所見及び病理組織所見から最終的に膵尾部癌と診断された.術前の造影CTでは肝転移は認められなかったが,超音波検査では限局性低脂肪化域(focal spared area: FSA)を疑う複数の低エコー域を認めた.そのうち胆嚢近傍S4領域の病変は境界が比較的明瞭であったため,腫瘍性病変との鑑別が必要と考えSonazoid<SUP>®</SUP>造影超音波検査を行ったところ,動脈優位相で全体に淡く染影され,門脈優位相ではwashout,後血管相で欠損像を呈した.一方,他の低エコー域は欠損とはならなかった.よって,S4の病変は転移性肝腫瘍,その他はFSAと診断した.Sonazoid<SUP>®</SUP>造影超音波検査は,脂肪肝を背景に存在とする腫瘍性病変とFSAとの鑑別に有用と考える.
- 一般社団法人 日本超音波医学会の論文
一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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