拡張型心筋症における心筋内血液量と左室収縮予備能の関係
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概要
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<B>目的</B>:心筋コントラストエコー法(MCE)により計測される左室の心筋内血液量が,拡張型心筋症(DCM)患者の左室機能または左室収縮予備能と関連するか否かを検討すること.<B>対象と方法</B>:対象は,左室駆出率(LVEF)が45%未満のDCM患者21例.超音波造影剤Levovist<SUP><SUP>®</SUP></SUP>の持続静注下に,6心拍ごとの間歇送信法を行い心尖部二腔断面と四腔断面のハーモニック・パワードプラ画像を記録した.左室を6区域に分割し,心筋のコントラスト強度(CI<SUB>myo</SUB>)と心筋に隣接する左室内腔血液のコントラスト強度(CI<SUB>blood</SUB>)を計測した.相対的CI(RelCI)=CI<SUB>myo</SUB>-CI<SUB>blood</SUB> [dB]は,内腔血液に対する心筋の気泡密度の比率を対数で表し,心筋内血液量は10<SUP>(RelCI/10)</SUP>×100 [%]と算出される.20μg/kg/minまでのドブタミン負荷心エコー法で負荷前と最大用量負荷時のLVEFを計測した.<B>結果と考察</B>:心筋内血液量はLVEFを含めた安静時の心機能指標とは相関せず,ドブタミン負荷によるLVEFの増加率と有意に相関した(r=0.54,p=0.01).DCMによる心筋の組織形態学的変化に伴って,心筋内血管の相対的容積が減少し,そのことが収縮予備能の低下に関連していると考えられる.<B>結論</B>:MCEにより計測される心筋内血液量は,DCM患者の左室収縮予備能と関連した.
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一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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