超音波検査が診断に有用であった石灰沈着性頸長筋炎の1例
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概要
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石灰沈着性頸長筋炎は急性頸部痛にて発症する疾患の一つである.臨床的には咽後膿瘍,髄膜炎,外傷との鑑別が重要であり,各種画像診断において頸椎前方の石灰化を確認する事により診断される.今回我々は,超音波検査にて頸長筋の石灰化を指摘し得た石灰沈着性頸長筋炎の1例を経験したので報告する.症例は92歳,男性,発熱,後頭部痛を主訴に当院受診.頸椎MRIにて椎体前方にT2 High intensity域を認め,石灰沈着性頸長筋炎を疑ったが,頸部単純X線検査,CTにて明らかな頸長筋の石灰化を認めなかった.頸部超音波検査にて頸長筋に石灰化を認め,石灰沈着性頸長筋炎と診断した.NSAIDS内服,頸椎カラー固定にて保存加療を行い,速やかな解熱とともに臨床症状の軽快を認めた.第11病日には頸部MRIにてT2 High intensity域の消失を認め,超音波検査にて石灰化の消失を認めた.石灰沈着性頸長筋炎に対し,頸部超音波検査が診断に有用であると考えられた.
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一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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