妊娠末期におけるAmniotic pocket測定の有用性に関する検討
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概要
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<B>目的</B>:妊娠末期における経時的羊水量変化と分娩前の羊水量測定が急速遂娩の予測に有用であるかを知ること.<B>対象と方法</B>:2006‐2008年に分娩した単胎(妊娠37‐41週)の内,予定帝王切開症例と前期破水症例を除いた966症例を対象とした.対象を羊水過少群と正常羊水量のコントロール群に分け,さらに羊水過少群を,外来時で羊水過少と診断された群(A群),陣発入院時に初めて羊水過少が認められた群(B群)に分類した.各群のおける急速遂娩率,急速遂娩を予測する羊水量(羊水ポケット:AP),妊娠末期羊水量の経時的変化について検討した.<B>結果</B>:A群26例(2.7%),B群75例(7.8%),コントロール群865例(89.5%)であった.急速遂娩は,コントロール群7.9%に対し,A群26.9%(p<0.001),B群16.0%(p=0.015)であった.緊急帝王切開は,コントロール群2.6%に対し,A群14.3%(p<0.001),B群2.7%(ns)であった.急速遂娩を予測するAPのカットオフ値は21mmであった.羊水過少症例でのAPがその1,2週間前に20‐30mmの範囲に含まれる確率は,それぞれ83%,65%であった.<B>考察</B>:分娩前の羊水量測定は,急速遂娩の予測に有用であることが示唆された.さらに,妊娠末期のAPが30mm未満の症例は注意してフォローアップするのが望ましいと思われた.
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一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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