US検診における腎泌尿器癌の現状と早期発見のコツ
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概要
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1983年度から2003年度までの腹部超音波検診受診者延べ1,375,565名から1,403例の悪性疾患が発見された.そのうち腎泌尿器の悪性疾患は,腎細胞癌337例,腎盂尿管癌18例,膀胱癌123例,前立腺癌62例など545例で,38.8%を占めた.腎細胞癌,腎盂尿管癌,膀胱癌,前立腺癌の切除例はそれぞれ332例(98.5%),16例(88.9%),121例(98.4%),10例(16.1%),切除例の10年生存率は腎細胞癌96.8%,腎盂尿管癌52.0%,前立腺癌100%,膀胱癌では7年生存率99.1%であった.腎細胞癌は病期 I が86%,膀胱癌は病期 I が98.3%を占めたのに対し,腎盂尿管癌では病期 I が33.3%,病期III・IVが60%であった.膀胱癌では98.3%がTUR-Btにて治療された.超音波検診は,腎細胞癌,膀胱癌の早期発見にきわめて有用である.小腎細胞癌は高エコー均一な腫瘍が多く,血管筋脂肪腫との鑑別が重要である.また,腫瘍径の増大とともに,不均一になる.嚢胞タイプの腎癌では,壁の肥厚や内部の充実エコーに注意することが発見のポイントになる.腎盂尿管癌では,CEC内の充実エコー像やCECの経時的変化,水腎・水尿管に注意する.膀胱癌は後壁(三角部)に多発し,隆起性病変の検出がポイントである.
- 一般社団法人 日本超音波医学会の論文
一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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