非浸潤性乳管癌におけるエラストグラフィ所見についての検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
<B>目的</B>:非浸潤性乳管癌(DCIS)のエラストグラフィ所見について知ることを目的とした.<B>対象と方法</B>:対象は2007年4月からの1年間におけるDCIS 46例である.エラストグラフィではItoらにより低エコー域の歪みを5段階にスコア分類することが提唱されており,これを使用して対象のスコア分類を検討した.腫瘤像形成性病変と腫瘤像非形成病変,病理学的コメド型と非コメド型でスコア分類に違いがあるかどうかを検討した.MMG上の石灰化はマンモグラフィガイドラインで悪性の可能性があるとされるカテゴリー3以上について,その有無を比較検討した.さらに,カラードプラ所見は,視覚的に血流の多寡を4段階に分類して比較検討した.<B>結果と考察</B>:エラストグラフィではスコア1が5例,2が8例,3は18例,4は12例,5は3例であった.良悪性のカットオフを行えるとされるスコア3‐4間で分けると感度32.6%と低かった.腫瘤像形成性病変は22例,腫瘤像非形成性病変は24例で,腫瘤像非形成性病変の方が統計学的に有意にスコアは低かった.病理学的コメド型と非コメド型の分類,MMG上の石灰化の有無,カラードプラ所見とスコアに統計学的有意差はなかった.<B>結論</B>:DCISではスコアが低いものが多く,特に腫瘤像非形成性病変でその傾向が強く留意する必要がある.
- 一般社団法人 日本超音波医学会の論文
一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
- 腎泌尿器疾患の超音波診断‐腎細胞癌の超音波像‐
- 左室内腔形態と左室内非同期(dyssynchrony)との関連についての検討
- 硬変肝表面結節像の超音波検査による分類―腹腔鏡検査による肝表面像との比較検討―:-腹腔鏡検査による肝表面像との比較検討-
- 腹腔鏡下手術に腹腔鏡用超音波が有用であった再発粘膜下腫瘍の1例
- 消化管超音波検査が術前診断に有用であった小腸憩室炎の1例