眼窩内眼動脈の超音波パルスドプラでの血流計測上の血流方向に関する問題点
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概要
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<B>目的</B>:頸動脈閉塞性疾患症例の眼動脈血流方向に関する多くの報告が超音波パルスドプラ法によってなされた.眼動脈測定の重要性が認識されたことから,眼科領域の検者だけでなく,新たに眼動脈の血流測定をする眼科以外の検者が増えてきた.眼動脈の血流測定では超音波ビームの投射方向を変化させることにより,1ヵ所のカラードプラ信号部から順方向・順逆両方向および逆方向の血流波形が採取されることについて検討した.<B>対象と方法</B>:同意を得た健康成人を対象に眼窩内眼動脈の血流波形を測定した.超音波診断装置SSA-700A(東芝)で中心周波数7.5MHzの探触子を用い,仰臥位で閉瞼させ,反対側は直上を注視させた.接触法でヒドロキシエチルセルロース点眼液を音響カプラとして用いた.眼動脈の信号を捕らえ,超音波ビームの投射角度を変えることにより血管の走行方向とビームの角度を変化させ,血流波形の形状変化を観察した.<B>結果と考察</B>:超音波ビームの投射方向をわずかに変える事により,同じ被験者から順方向波形・逆方向波形ならびに両方向血流波形が記録出来た.眼動脈の走行には多様性があるため,血流測定には眼位ならびに血管走行方向を確認し,順方向,超音波ビームの方向と血流方向のなす角度が出来るだけ小さくなるように測定し,3回以上の測定により再現性を確認することが必要であると思われた.<B>結論</B>:眼動脈の血流測定では超音波ビームの投射角により,1箇所のカラードプラ信号部位から順逆両方向の波形が得られることが示唆された.
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一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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