膵胆道系疾患における体外式超音波検査法と所見の読み方
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概要
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体外式超音波検査法による胆膵疾患の基本的な描出法と注目すべき所見について解説した.肝内胆管の描出には肝内胆管がグリソン鞘内で門脈と並走していることを念頭に置く.カラードプラ法を用いることで門脈と胆管の鑑別は容易となる.肝内胆管病変では肝内胆管拡張と肝内腫瘤に着目する.肝外胆管描出は右肋弓下縦‐斜走査で肝門部の門脈を指標にしてその腹側に描出される管腔を見つける.この際にもドプラは有用である.胆管を描出後長軸に胆管が描出出来るようにプローブを微調整して下部胆管へとスキャンする.左側臥位からの描出や膵内胆管の短軸像を描出した後に胆管を長軸にして下部胆管を描出する方法も時に有用である.肝外胆管では胆管拡張,内腔の病変,および胆管壁に注目して所見を読み取る.胆嚢の描出は肝十二指腸間膜に連続した胆嚢床をメルクマールとする.胆嚢頸部と底部は見落としやすいので特に注意する必要がある.肝外胆管同様左側臥位での観察が有効である.観察時には胆嚢の大きさ,内腔,および胆嚢壁に注目する.膵臓描出の基本となる横走査では脾静脈を指標としてその腹側の膵頭体尾部を長軸に観察する.吸気時には肝臓をウインドウにして描出するが,呼気時の方がよく描出されることが多い.横走査では膵尾部の脾門部付近では不十分なことが多く,左肋間からの描出が有用である.描出にあたっては膵臓の大きさ,膵管拡張,腫瘤に注目する.
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一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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