慢性肝疾患に対する超音波造影剤Levovistを用いた肝表近傍血管分岐形状の検討
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概要
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目的 : 造影超音波で描出される肝末梢血管像から慢性肝疾患の病期進展が把握できるかどうかを明らかにすることを目的とし検討を行った. 対象 : 肝生検を行い得た慢性肝疾患54例で, 心肺疾患, 肝細胞癌の合併症例は除外した. 方法 : 装置は東芝Power Vision 8000を使用し, Levovist® 300 mg/mlを秒間1 mlでボーラス静注した後, Dynamic flow modeで肝表近傍門脈枝の分岐形状を観察し, 得られた所見と病理組織学的に得られた肝線維化の程度 (F1 - F4 : 新犬山分類) とを比較検討した. 結果 : F1 - F3症例において, 肝表近傍門脈枝は分岐部の前後いずれも直線的に走行し, その分岐角度は病期が進展しても有意な変化を示さなかった. 一方F4症例においては, 末梢枝が不整な走行を呈し, 分岐のふところ部分はU字状を呈していた. このU字状分岐を肝硬変の特徴と仮定するとそのsensitivity 76%, specificity 98%, overall accuracy 91%であった. 結論 : 肝表近傍門脈枝におけるU字状分岐は肝硬変に特異的所見と思われた.
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一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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