低音圧コントラストエコー法による超音波造影剤濃度の定量に関する基礎的検討
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概要
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目的 : 高音圧コントラストエコー法において, 局所の入射音圧が一定である条件下では造影剤濃度とコントラスト強度 (CI) のパワー値の間に良好な線形性があることが分かってきた. しかし, 低音圧コントラストエコー法でも同様の線形性が保たれるか否かは不明である. そこで, 低音圧コントラストエコー法における造影剤濃度とCIとの関係を確認するためにin vitro実験を行った. 方法 : 造影剤はDefinity®とImagent®の2種類を用いた. 0.5, 2, 8, 32, 128μL/Lの5濃度の溶液を用意し, mechanical index (MI) 0.05, 0.1, 0.5のパルスサブトラクションイメージングで, ゼリーを介して溶液を撮像した. 画像上の溶液の水面直下に厚さ3mmの関心領域を置き, CIをdBで計測した. 濃度は0.5μL/Lを基準値として10×log (濃度) でdB表示し, 両側対数グラフ上で直線回帰分析を行った. 結果 : 両造影剤とも, いずれのMIにおいても, 造影剤濃度とCIとはきわめて良好な直線相関を示し, 回帰直線の傾きはCIのパワー値が造影剤濃度に比例する場合の理論値1に近かった. 結語 : 低音圧コントラストエコー法においても, CIのパワー値が造影剤濃度に比例し, CIのdB値は濃度に対して対数関係にある. 低音圧コントラストエコー法で気泡密度の定量計測が可能である.
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一般社団法人 日本超音波医学会 | 論文
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