症例 新生児期に心不全を呈したGalen大静脈奇形の1例
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概要
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症例は生後5日目の男児で,生後4日目より顔色不良,哺乳力低下が著明となり,多呼吸,呼吸困難,肝腫大などの心不全症状を呈し,当院循環器内科へ緊急入院となった.四肢末梢にチアノーゼがあり,収縮期雑音が聴取されたこと,胸部X線写真,心電図,心工箕一図検査などより,大動脈縮窄症候群,大きな左右短絡疾患を疑い心臓カテーテル検査を行った.心血管造影検査の結果,心内奇形のないことが明らかになったが,頸部動脈の薯しい拡張に気づき,頭部を聴取したところ,連続性雑音を認めた.上大静脈血の著しい酸素飽和度の上昇を認め,頭蓋内動静脈奇形を強く疑うにいたったが,全身状態不良のため頸動脈撮影は断念した.患児は入院後約12時問で死亡した.剖検の結果Galen大静脈奇形と判明した文献上の報告例を含めて大静脈奇形について考察を行う.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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