臨床 さまざまな疾患に出現する臥位性期外収縮の分析
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概要
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歩行可能な各種疾患患者2,388例から,期外収縮(PB)が全心拍の20%以上を占める74例を認めたが,このうちの27例のPBは座位で即座に消えた.これを臥位性PBと仮称して検討した結果,ほとんどが右心室起源の単巣性のPBで,固定連結していた.Holter心電図で5例に心室性PBの連発を認めたが,PBの出現に一致した自覚症状は有意なものではない.臥位性PBを4例の陳旧性心筋梗塞にも認めたが,その他は器質的心疾患を有しない様々の疾患に認めた.心理テストや寒冷血圧試験の成績から,その出現の背景に自律神経緊張異常が推測され,特に臥位でのvagal restraintが強勢されていた.外因的にvagal toneをたかめるとPBが増し,vagusを遮断したりsympathetic toneをたかめるとPBが消失したり減ったりすることから,臥位性PBはvagotonia-induced extrasystole in supine postureであり,機能性の,良性のPBと思われる.1~1.5年後に,16例中の5例は再現しなかったが,抗不整脈治療効果は期待しがたいようである.重篤な不整脈発作への進展例はまだ経験しないが,なおfollow up studyを要すると思われる.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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