症例 急性心筋梗塞を合併した大動脈炎症候群の1剖検例
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概要
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症例:30歳,主婦.主訴:呼吸困難, 悪心.<BR>既往歴:1977年,再発性多軟骨炎.<BR>現病歴:1974年,血圧の左右差,右鎖骨上窩から頸部に血管雑音聴取.血沈亢進,CRP陽性,川崎市立井田病院にて大動脈炎症候群と診断された.血管造影で右鎖骨下動脈の起始部に狭窄, 下行大動脈内側壁の不整を認めた.prednisoloneを投与したが漸減するとCRP陽性,血沈亢進を認めた. 1980年6月6日突然呼吸困難, 悪心を訴え,当CCUへ緊急入院した.意識なく血圧70mmHg,喘鳴,チアノーゼ, 肺野の湿性ラ音など急性左心不全像を示した.ECG所見,CPK534,GOT70,LDH190などから前側壁梗塞と診断し線溶・抗凝固療法,心不全の治療を行ったが死亡した.剖検所見では上行大動脈,弓部,左冠状動脈起始部に炎症所見を認め,左冠動脈は完全閉塞していた.さらに前壁中隔側壁に梗塞があり,大動脈炎症候群に心筋梗塞を合併した若年女性の例はきわめてまれで示唆にとむ1例と考え報告した.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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