研究 心房中隔欠損症術後不整脈の研究
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概要
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76例の心房中隔欠損症の術後不整脈について検討を加えた. その不整脈発生頻度は36.8%であり同時期に経験した心室中隔欠損症のそれは16.7%であった.不整脈発生頻度と年齢,性別,欠損部位,パッチ使用の有無,術中大動脈遮断時間,血清カリウム値などとの間には明らかな相関関係はなかった.心房中隔欠損症根治手術の際の外科的侵襲による心房内伝導遅延が術後不整脈の発生と関係があると考えられた.そこで心房中隔欠損症の手術前後にHis束心電図を記録したところ,St-A時間は術前36msecから術後44msecと延長していた.実験的にイヌを用いて種々の心房切開を加えて検討したところ,洞房結節部を周囲より離断した例では,洞刺激の下位への伝達は少なく,心房調律,房室結節調律が主体をなしており,洞刺激が下位へ伝導されたものの中にはHis束心電図上St-A時間の延長,St-A間でプpaヅクされたものがあり,心房内伝導遅延を示していた.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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