症例 その他の心内奇形を伴わない下大静脈への右肺静脈還流異常
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概要
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PAPVDの内でIVCに還流するものはまれである.われわれは右胸心で右肺静脈がIVCに還流するが他の心内奇形を合併しない1例に対し手術を行なったので,本症の診断,手術法に考察を加えた。症例は18歳,男,易疲労性,毛雑音,心陰影位置異常を主訴として来院心血管造影,色素希釈曲線などによりASD非合併,IVCに還流するPAPVCと術前に診断した.<BR>本症は胸部x線上・右下肺野の三同月型険いわゆる"Scimitkr sign"を特長としさらに右胸心,右肺形成異常を合併し易くScimitar syndromeと呼ぽれる.診断上Scimitar signは有用であるが異常還流血管よりの造影が最も確実である.心房中隔は正常の事が多く他の心内奇形を合併するのも少ない.根治手術は右怖静脈を左房に還流せしめる事であるが,直接左房に吻合,右房内トンネル法などがある.われわれは人工血管を用いて手術したが,われわれの行なった手術法に対する反省と検討も行なった.
- 公益財団法人 日本心臓財団の論文
公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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