総説 心筋の Active State
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概要
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Active state(活動状態)はHillによって導入された概念である.Hnlによれば骨格筋は能動的な収縮要素と受動的な直列弾性要素からなっており,収縮要素が刺激されるとその内部に急速に根源的力学応答が発生する.これを活動状態という.張力曲線が比較的ゆっくりと上昇するのは直列弾性要素が介在するためであると考えたのであった.この考え方は心筋にもあてはまる.しかし近年Huxleyたちによって筋ブイラメソト滑走説が提唱されるようになり,収縮要素の内部構造も次第に明らかとなったので,著者は滑走説に基づいて収縮要素内に発生する滑走力を解析的に求めることに成功した.この滑走力こそHil1の考えていた活動状態にほかならない.心筋収縮性の示標としては Vmax や dp/dt があげられるが,活動状態曲線そのものが最も根源的な力学応答であり,最良の示標であると考える.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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