研究 心室中隔欠損症における肺血管閉塞性病変の頻度と進行性
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概要
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肺体収縮圧比0.79以上の肺高血圧を伴う, 他に合併心奇形のない心室中隔欠損症227例の心臓カテーテル検査の成績より, 肺血管の閉塞性病変の進行性を検討した。高度の肺血管閉塞性病変 (肺体血管抵抗比0.75以上)は 2歳以下では存在ぜす, 2歳以後次第に増加し, 12歳ないし20歳では肺高血圧を伴う心室中隔欠損症の55%に合併していた。また2歳以後に2年ないし11年の間隔をおいて反復して心臓カテーテル検査を行なった7症例中6例で,肺血管の閉塞性病変の進行が認められた。この6例における肺体血流比の低下率より血流比が2より1へ低下するのに要する年数を計算すると, 進行の速い例では5年であった. 以上の結果より, 小児期の肺高血圧を伴う心室中隔欠損症は, 放置すれぽ2歳以後次第に肺血管閉塞性病変が進行し, 12歳ないし20歳で50%以上が高度の肺血管閉塞を生じると結論される.
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