第17回 心臓性急死研究会 急性心筋梗塞と脳梗塞を同時発症し入院後に急死した1剖検例
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概要
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症例は49歳,男性.主訴は胸背部痛,片麻痺.既往歴として胃十二指腸潰瘍.家族歴は父親に解離性大動脈瘤.現病歴:2003年12月7日午前5時,胸背部痛出現.救急車にて近医に搬送.胸部CT上異常なく,片麻痺もあるが頭部CTで出血等なし.心電図上I,aV<SUB>L</SUB>,V<SUB>1~4</SUB>にST上昇を認め急性心筋梗塞および脳梗塞と診断され,当院に転送.入院時現症:血圧;78/43mmHg,脈拍;88/分,整,心音;心雑音(-),呼吸;肺副雑音(-),腹部;肝・脾触知せず四肢;浮腫(-).左片麻痺あり.入院時検査所見:WBC18,300/μL,AST354U/L,ALT111U/L,LDH748U/L,CK3,705U/L,CKMB306U/L,CRP2.54mg/dL.入院後経過:直ちに冠動脈造影施行するも狭窄なく,心電図上ST上昇も消失.引き続き施行された脳動脈造影で中大脳動脈分枝に狭窄あり脳神経外科に入院.しかし,午後5時心不全症状出現.心拍出量低下したため,気管内挿管し人工呼吸管理および,PCPS導入.12月8日午前11時ころ突然心停止.ペースメーカ挿入するも反応なく,12月9日死亡.病理解剖の結果,Stanford A型の大動脈解離で,解離は左右冠動脈起始部にまでおよび,それによる急死と診断された.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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