臨床 緊急心臓カテーテル検査を施行し得た,院外性心肺停止急性心筋梗塞症例の検討
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概要
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近年,院外性心肺停止(CPA:cardiopulmonaryarrest)患者における積極的加療が行われており,また虚血性心疾患における経皮的冠動脈形成術(PCI:percutaneous coronary intervention)の進歩により治療適応の範囲が拡大している.<BR>今回我々は,1997年1月から2002年12月までの6年間に当院救命救急センターに搬入されたCPA739例中,心肺蘇生術(CPR:cardiopulmonaryresuscitation)にて心拍再開後,冠動脈疾患が原因と推定した64例に,緊急心臓カテーテル検査(CAG:coronary angiography)を施行し,急性心筋梗塞(AMI:acute myocardial infarction)が原因と考えられた33例のCAG所見,治療,予後について検討した.病変枝数は1枝病変で前下行枝が多く,TIMI(thrombolysis in myocardialinfarction study group)gradeは0および1が多かった.PCI施行群で24時間生存率が高かったが,生存退院例に有意差は認めなかった.生存例は死亡例に比し年齢が低く,Bystander CPR施行例であった.PCI施行群での生存退院例は全例PCI成功例であり,不成功例の予後は不良であった.CPAAMI症例に対する社会復帰を目指した治療戦略としては,Bystander CPRが重要であり,更にPCI成功が重要な因子になる可能性が示唆された.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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