第11回体表心臓微小電位研究会 QRS高周波数微小電位の減少と術後心不全
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概要
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心不全では多様な変化が心筋細胞に引き起こされるが,そのうち活動電位持続時間(APD)の延長と細胞内Ca handlingの異常に着目し,体表加算平均心電法を用いた高周波数RMS電位との関連について開心術症例で検討した.高周波数RMS電位は,これまでの我々の実験によりAPDの延長と,Ca overloadのいずれにおいても低下することが示されている.今回開心術後の心不全の臨床的指標と高周波数RMS電位(40-250Hz)の減少が関連するかどうか検討した.開心術72例の術前の各症例の高周波数RMS電位(μV)を100%とし,大動脈遮断解除30分後,1時間後,2時間後,翌日に測定した.各測定時の-1SD未満に相当する群(-1SD群)とそれ以上群を心係数,Inotropy総量,CPK,IABP/PCPS使用頻度,院内死亡で比較した.その結果,-1SD群は,それ以上の群に比べ,心係数が低く,Inotropy使用総量は多く,CPKは多く,IABP/PCPS使用頻度は高く,院内死亡率は高く,術後心不全群であることが示された.開心術後の高周波数RMS電位の著しい低下は,心筋の心不全状態を反映していることが示唆された.
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