第6回 体表心臓微小電位研究会 開心術後のQRS周波数成分と左室拡張能の相関:体外循環離脱時心機能による周波数成分の対応の差異
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概要
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開心術後のQRS周波数成分と心機能(左室拡張期圧最大-dp/dt)との相関を体外循環離脱直後の心機能別に検討した.対象は開心術23例(0-74歳).体表心電加算平均法(フクダ電子VCM-3000)で得られるQRSvectormagnitudeに対し周波数解析を行い,0-40Hzおよび40-100Hzの各周波数成分電位面積(μV・Hz)を得た.心機能の指標として,左室拡張期圧最大-dp/dtを反映する大動脈圧最大-dp/dt(mmHg/sec)を用いた.各症例において体外循環離脱後から皮膚縫合時まで経時的に測定した.23例(総測定数=174回)を,体外循環離脱直後の-dp/dtが術前に比し100%以上の7例(A群),50-99%の9例(B群),50%未満の7例(C群)に分けた.0-40Hzの周波数成分は-dp/dtに対し,B群(r=0.311,p=0.0093)とC群(r=0.567,p=0,0000)で有意な正の相関を示した.一方,40-100Hzの周波数成分はA群(r=0.527,p=0.0000)とB群(r=0.311,p=0.0093)で有意な正の相関を示した.開心術の心筋虚血からの回復の程度に応じて,周波数成分と心機能との対応は異なった.心機能低下は-dp/dtは比較的低い周波数成分に対応し,心機能回復時は比較的高い周波数成分と対応した.
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