第3回 体表心臓微小電位研究会 心筋虚血時の加算平均心電図のspectral turbulenceとspectrotemporal mapの変化
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概要
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我々は実験的に心筋虚血を作成してその際の加算平均心電図(SAE)とspectrotemporal map(STM),spectral turbulence analysis(STA)の変化を検討した.雑種成犬6頭を対象とし,頸動脈よりPTCA用のバルーンカテーテルを挿入し左冠動脈前下行枝を2時間閉塞した後,カテーテルを抜去し血流の再灌流をした.冠動脈閉塞前(Cont)冠動脈閉塞後2時間(0cc),再灌流直後(Rep),再灌流後30分(Rep30)において,SAEは,Del Mar Avionics社製Model459,563を用いてHolter法を利用するSAE(Holter SAE)により検討した.時間軸成分はbandpassfilter40-250Hz,100-250Hz,150-250HzのQRS全体のroot mean square voltage(40RMS,100RMS,150RMS)検討し,それに周波数成分を加えたSTAやSTMを検討した.STAの評価は,隣接時相面間の相関平均(ICM)とその標準偏差(ICSD),spectral entropy(SE)を用いた.RMS40,RMS100はContが,0ccで小さくなり,Rep,Rep30にはその回復がみられた.RMS150,ICM,ICSD,SEでも心筋虚血の変化がみられた.HolterSAEを用いて心筋虚血前,虚血中,その回復時の変化を検討した.SAEやSTAやSTMは心筋の虚血とその回復を捉えることが可能と考えられた.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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