症例 ペースメーカー例における急性心筋梗塞の診断:DDDペーシング中不安定狭心症,胆嚢炎から急性心筋梗塞に至った1剖検例
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概要
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心臓ペーシング中の心筋虚血の診断は心電図上容易ではない.我々は,DDDペースメーカー植え込み後不安定狭心症と胆嚢炎を併発し,急性心筋梗塞に移行し死亡した例を経験した.症例は69歳男性で昭和62年7月高度房室ブロックによる失神発作のため,DDDペースメーカーを植え込んだ.同年12月胸痛と右季肋部痛のため再入院した.狭心症発作時の心電図はV3からV6で最大3.5mmのSTのdown slope型下降を示し,腹部エコーでは胆石症の併発を認めた.入院後狭心症は内科的治療に反応したが,翌1月11日再び季肋部痛を訴え熱発し,治療で一時緩解したが,2月4日に再び発熱,翌日STは持続的に下降し,血圧が急に下がり死亡した.剖検では急性および陳旧性の前側壁心筋梗塞と胆嚢炎を認め心臓刺激伝導系にも広範な両脚の高度線維症を見た.本例では症状とペーシング中の心電図では急性心筋梗塞の診断が困難であったためその対応について考察を加えた.
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公益財団法人 日本心臓財団 | 論文
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